ミステリーの解説

ミステリーの話題は大変難しいです。
「ネタバレ」というのがあるので。
気にし始めると、際限がありません。


学生時代に、ミステリー好きの友達がひとりだけいました。
でも、同じ本を読んでいたことなんて数えるほどしかありません。
彼はハードボイルド寄りでしたから。
だから、会話は大体こんな感じです↓


「○○っていう本がおもしろかったよ」
「へー」
「読んだことある?」
「いや、ないな」
「そうか……(ネタバレを恐れて内容を紹介できない)」
「うん……」


お互いなにを読んだかを報告しあうだけ。
Hくんよ、ぼくらは本当に仲がよかったのだろうかww?


というわけで、ミステリーのことで友達と盛り上がるには
以下のようものが必要です。

  • 相手とミステリーの嗜好が全く同じという奇跡
  • 相手の読んだ本をもカバーしてしまうほどの読書量(と記憶力)
  • 自分が話題にしたい本を相手に強制するパワー
  • 相手が読んだ本をすかさず自分も読む柔軟性
  • ミステリー研究会の「読書会」に参加する行動力、計画性、友好的な態度など

さて、上記のものを全く持ち合わせていないわたしも、
実はかなりの頻度でミステリー談義に花を咲かせることができます。
それが本の「あとがき」や「解説」です。
「あとがき」や「解説」に力が入っているととてもうれしいです。
ここでは(基本的に)ネタバレは関係ありません。
ですから、是非、技術論を書いてほしいです。


たまに著者の人生を解説したものや、
解説を書いている人と著者との交遊録のようなものがあります。
それはそれで、おもしろいです。
でも、せっかくネタバレ(基本的に)OKなのですから、
本を読んだもの同士しか話題にできないことを
大いに書いていただけるとうれしいです。


ここ最近読んだものだと、クイーンのラジオドラマ脚本集である

飯城勇三氏の解説がすばらしかったです。
細かな伏線を指摘していたり、
構成上の特徴を丁寧に解説していて、非常に濃い内容でした。


ナポレオンの剃刀の冒険―聴取者への挑戦〈1〉 (論創海外ミステリ)

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