Berryz工房の回文

「回文」とは「頭から読んでも尻から読んでも同じ文」である。
有名なのはこれだろう。

・竹やぶ焼けた
(たけやぶやけた)


先日、「千奈美」を題材に回文をつくっていた。
人生で初めて回文づくりに挑戦したのだが、意外な点がふたつあった。

・ひとつの題材でいくつも回文ができる(場合がある)


・つくるのがそんなに難しくない(完成度にこだわらなければ)


という2点である。




千奈美」で回文をつくると決めた瞬間に、自動的に決定することがある。それは「みなち」が回文中に必ず登場するということである。つまり「千奈美」で回文をつくる場合、以下のふたつのパターンしかあり得ない。

X 千奈美 Y みなち Z
X みなち Y 千奈美 Z


あとは X Y Z を綺麗に埋めれば回文の完成である。
「みなち」自体は意味を成さないから、区切ったり、前後に言葉をくっつけたりする。
区切りのパターンは以下の4通りである。

Y み、なち Z
Y みな、ち Z
Y み、な、ち Z
Y みなち Z


いちばん見当がつけやすそうなのはこれだろう。

Y みな、ち Z


つまり、こういう意味。

Y 皆、ち Z


「ち Z」部分は「ち」で始まる単語(あるいは文)である。ここで国語辞書の登場である。「ち」で始まる単語を順に見ていく。もちろん「皆、」につづく言葉であるから、その点を考慮にいれる。例えば「知識人」を入れてみようとする。「知識人」を入れると決めた瞬間に、自動的に決定することがある。それは「んじきし」が必ず X 部分に登場するということである。
つまりこうなる。

・ んじきし千奈美 Y 皆、知識人


これで終わるわけではない。
上の文は、以下のように解釈できる。「『んじしき千奈美』を題材に回文をつくり始めた」状態だと。
つまり、また XZ が両端に登場するのである。

X んじしき千奈美 Y 皆、知識人 Z


これを繰り返す。
しかし「んじきし」はシュールな言葉である。あまり意味のある文はつくれそうにない。なので「知識人」案はここであきらめる。そうしたら、また国語辞書から「ち」で始まる言葉を見つけてくる。
それを繰り返す(笑)。
X Y Z という不確定要素がいらなくても意味が通るような文ができれば、それが回文である。




いいかげん完成品を挙げておこう。

・イザ、千奈美「皆、笞罪!」
(いざちなみみなちざい)


「笞罪(ちざい)」とは悪いことをした人をムチで打つ刑のこと。
これを

X 千奈美 Y 皆、ち Z


の状態から説明すると、こうなる。

・「ち Z」に入れる言葉を「笞罪」にしてみる。

・自動的に X 部分に「いざ」という言葉が入ることになる。

・まとめると、「いざ千奈美 Y 皆、笞罪」である。

・「Y」部分になにも入れなくても意味は通る。

・完成。


とりあえずつくったのを列挙してみる。

・くそっ!千奈美! 皆、窒息・・・
(くそっちなみみなちっそく)


・達しなさい、千奈美。皆、小さな叱咤
(たつしなさいちなみみなちいさなしつた)


「チナスケ」でもつくってみた(笑)。

・ってか、チナスケ。消すな、地下鉄
(つてかちなすけけすなちかてつ)


・おい、チナスケ。消すな、ちぃを
(おいちなすけけすなちいお)


・チナスケ、行け! 砂地
(ちなすけいけすなち)


もう回文について偉そうなことを書くのはやめようと思う(完全ににわかだし)。
でも、もうひとつだけ回文制作に役立つことを。
回文には必ず「中心」がある。
その「中心」には2種類ある

例1)チナスケ、行け! 砂地
(ちなすけいけすなち)


例2)イザ、千奈美「皆、笞罪!」
(いざちなみみなちざい)


例1は中心が「い」という文字である。
例2は中心が「み」と「み」という文字の間にある。
これを知っているだけで、バリエーションは増える。




さて、Berryz工房のラジオを聴いている人から以下のような反応が予想される。
「おい、これを『千奈美のテンション上げまショー』に送れよ」
もちろん、送ったさ(笑)。
たぶん、完成度が低かったのが最大の原因だと思う。
あと、ラジオだと文字面が伝わらないという根本的な問題もあったと思う(←送る前に気づけ)。



ちなみに、一番よくできていると思っているのはのは「須藤茉麻」を題材にしたこれである。

・さあ、舞うどす。須藤茉麻
(さあまうどすすどうまあさ)


ひっくり返してくっ付けただけ(笑)。