松本清張『或る「小倉日記」伝』と橋本治『ふらんだーすの犬』

松本清張の『或る「小倉日記」伝』と橋本治の『ふらんだーすの犬』は似ていると思います。ただ、どこがどう似ているのかと訊かれると答えに窮します。
無理矢理挙げるなら、


・短編である。
・なんとなく書き方が似ている。
・なんとなくラストが似ている。
・どちらも傑作(わたし的に)。


……というふうに、漠然とした答えになってしまいます。


一方、「似ていない点」の方は、


・作者が違う。
・執筆年が違う。
・主人公の名前が違う。
・主人公の父の名前が違う。
・主人公の母の名前が違う。
・総文字数が違う(たぶん)。


……などなど、無限に列挙できます(しませんが)。
でも、わたしはこのふたつがどこか「似ている」と思います。

ところで、わたしは『或る「小倉日記」伝』を『松本清張傑作短篇コレクション〈上〉』 (文春文庫)で読みました。このアンソロジーはまさに「傑作」揃いです。宮部みゆき(編者)ってすごいな。いわんや清張をや。


蝶のゆくえ (集英社文庫)

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