法月綸太郎『犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題』

休日。本屋に行く。
現在、車中ではBerryz工房の『6th 雄叫びアルバム』をかけてゐる。職場への道中にかかる『流星ボーイ』を聴いて「やつぱり今日は仕事に行かないでおかう」といふ「引き返したい」気持ちを吹切つたりしてゐる。休日のドライブでもかける。『雄叫びボーイ』で気分を盛り上げ、『ヤキモチをください!』を聴きながらニヤニヤする。『青春バスガイド』でバスの運転手気分を味はう(←それはない)。
閑話休題。本屋に行つた。
法月綸太郎の新刊に遭遇した。と云つても新作ではなく文庫化である。『犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題』(光文社文庫)がそのタイトル。新作ではなくてちよつとがつかりしたけれども、この偉大なエンターテイメント作品が文庫になつたといふことは一法月ファンとして大変喜ばしい。手に取つて、まづ装幀を確認する。なかなか洒落てゐる。つぎに「文庫のためのあとがき」があるかどうかを確かめる。ない。ちよつと悲しい。(千奈美に、「カッパ・ノベルス版あとがき」はある。)解説は千街晶之である。あまり本屋で精読する気分にはなれないので、ざつと目を通すにとどまる。この解説の最後の一文が気に入つたので買ふことにする。と書くと「解説を読むためだけに買つた」やうである。それも決して嘘ではない。購入動機の八割はそれである。残りの二割は「『解説を読むためだけに買つた』と云ひたいがために買つた(つまり俺はそこまで読書に熱心なんだぜといふアピール)」、更には「『解説を読むためだけに買つた』と云ひたいがために買つた、と云ひたいがために買つた(つまり俺は結構内省的なんだぜといふアピール)」……以下無限につづく……で占められてゐる。
閑話休題。千街氏の解説は非常に読みごたへがあり、もう一度本編を読みかへしてみようと思つた。さうなら、ノベルス判と文庫判といふ違ふ組版のものを持つてゐるのも悪くはない。


犯罪ホロスコープ〈1〉六人の女王の問題 (光文社文庫)

犯罪ホロスコープ〈1〉六人の女王の問題 (光文社文庫)